沈壽官作 薩摩焼 香炉を買取しました

北陸地方のコレクターの方が数年ぶりにご連絡をくださり、大切に蒐集されてきたお品の中から十五代 沈壽官作 うたた寝 猫香炉をお譲りいただきました。

丸々と気持ちよさそうな、うたた寝姿に心を奪われると同時に、改めてその卓越した絵付の細密描写に感動を覚えます。

愛らしく無防備な表情を見ていると、背中のねずみの蓋はそっと開けてあげようという優しい気持ちに包まれます。

沈壽官は薩摩焼の陶芸家の400年続く名跡で、十五代は現当主になります。

父である十四代は白薩摩による金襴手や透彫、黒薩摩など幅広く手がけました。

沈家の歴史の中で初めて先代の存命中に襲名した十五代 沈壽官は、幼い頃から父による陶芸の手ほどきを受け、大学卒業後は国内外の教育機関などで知識と技術を高めてきました。

大切に受け継がれた一子相伝の技と創意を尽くし、宗家としての誇りと伝統を守りながら、次世代への橋渡しをすべく現代的な作品も意欲的に生み出し続けています。